漫画

水木しげる『ゲゲゲの鬼太郎 2 妖怪軍団』ちくま文庫、1994年

古本で買いました。いくつか読んだことのあるような短編が並んでいますが、改めて読むと面白いですね。と言いつつも、最初のほうに収録された短編では、人間のせいで(環境開発だか?)引っ越ししなければならず面倒だなあ、とか言っていた鬼太郎が、途中か…

古味直志『ダブルアーツ』2巻、集英社

ダブルアーツ 2 (2) (ジャンプコミックス)古味 直志集英社 2008-10-03売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools眠いし、やらなければならないタスクもあるし、書影は出ないしと色々と重なっていますが、書くしかないだろう。『ダブルアーツ』2巻…

古味直志『ダブルアーツ』について書いてみる。その3。

終わると見せかけて続けるけど、これで終わり。一昨日と昨日のエントリーの続きです。 5:フレアについて で、今まで触れてこなかったフレアですが、別に意図的に書かなかったのではなく、話の流れで出てこなかっただけです。というわけで無理やり繋げてみま…

古味直志『ダブルアーツ』について書いてみる。その2。

昨日のエントリーの続きです。結局、ぐだぐだでしかないわけですが、前回エントリーの「2:温もりということ」の途中から話し始めています。 特に第15話に出てくるシスター・ハイネの存在は印象的であり、それまで読者が主人公として、もしくは物語の話し手…

古味直志『ダブルアーツ』について書いてみる。

以下、ネタバレします。打ち切りにあってしまった『ダブルアーツ』の感想など、きちんとしたものを書いたことがないので、少しだけ書きなぐってみます。今までエルーかわいいぐらいしか書いていない気がする。あと疲れているときにどれだけ文章を書けるのか…

最近読んだ本

やるだけやってみよう漫画編。絶対途中で頓挫しそう。 沙村広明『無限の住人』23巻、講談社、2008年 江戸城本丸まで一気に突き進みました。ただひたすら剣戟が続きます。さすがだ。ちなみにアニメ化によってmixiのお凛ちゃんコミュの人数が増えるのではと少…

檜山大輔『メガロマニア』2巻、スクウェア・エニックス、2008年

1日1話でも良いから寝る前に漫画を読もう計画が発動中です。亜人と人間という二項対立という軸の中に、ハーフという存在を投入することはそれほど珍しいことではない上に、正直な話、非常に在り来たりなストーリー内容であることは否めません。しかし、それ…

檜山大輔『メガロマニア』1巻、スクウェア・エニックス、2007年

買ったはいいが、積ん読状態だった作品。なかなか面白い。簡単に書けば、人間とその人間によって創られた亜人との差別問題を取り上げた作品です。人種間の問題というのは指輪物語を筆頭として、多数あるわけです。ドワーフとエルフとか。ロードス島で見事に…

木村紺『神戸在住』10巻、講談社

美しく彩られた冬の日向、冴えわたる空気に包まれ、私は最初の一歩を踏みしめた。今はまだつらい記憶も、やがては優しい思い出となり、人生の糧となる日を信じて。 本書71ページ まさしく名作と呼べる作品が完結しました。物語の終わりというのは物悲しいも…

岩本ナオ『Yesterday、Yes a day』小学館

二日酔いの中、寝転がって読んだ。何のことはない少女漫画ではあるのです。友情だったり愛情だったり地縁だったりといったものが、ぐるぐると廻りながら、ダラダラと続いていきます。もちろん1巻で終わっているがゆえに最後はすっ飛ばされたような気がします…

岩代俊明「PSYREN−サイレン−」

脳内HUNTER×HUNTERフィーヴァーによって、久しぶりにジャンプ連載に目を通していますが、岩代俊明の新連載は面白い。前作『みえるひと』が不完全燃焼で終わってしまっただけに、この作品への期待は大きいものです。前作でもそうでしたが、最早、見飽きたとも…

モリタイシ『RANGEMAN』6巻、小学館

祝福するよ、大塚君 本書117ページ。 というわけで『いでじゅう』でかっ飛ばしてくれたモリタイシの『RANGEMAN』が「次回作にご期待ください」的な感じで終わってしまいました。打ち切りです。確かに冴えない男の子が主人公で、その後、ゴレンジャーのような…

岩永亮太郎『Pumpkin Scissors』8巻、講談社

7巻から続く「カルッセル編」は非常に秀逸な作品です。たまにこういう話が挿入されてくると異様なほど盛り上がるから漫画読みはやめられません。しかし、非常にシリアスな話であり、アリス少尉を筆頭とするパンプキン・シザーズは物語に介入してくる第3者的…

石黒正数『それでも町は廻っている』3巻、少年画報社

通称「それ町」の3巻。2巻では、町内会という日常から上手い具合に浮遊して、死の存在、宇宙人といった非日常的なものと、見事に融合した巻でした。そのフットワークの軽さに、良い意味でしびれたものです。それを踏まえての3巻は、また日常世界への立ち返り…

五十嵐大介『カボチャの冒険』竹書房

『リトル・フォレスト』に続く、スローライフ漫画。隣家とは100m離れているという村落に暮らす作者が眺めた飼い猫カボチャを描いた作品です。前回は農村での生活というものに重点を置かれ、特に食べることが強調されていました。それは生物としては非常に重…

カトウハルアキ『ヒャッコ』1巻、『夕日ロマンス』

女子高生たちがわいわい騒ぎながら、楽しい学校生活を送っているという最早ありがちとも言える風景を切り取り続けているのが、『ヒャッコ』です。こちらは非常に面白い。別に部活動などでコミュニティを形成しているわけでもないというのに、きちんと4人組の…

岩岡ヒサエ『土星マンション』2巻、小学館

「どした?」 「なんとなく今日のこと、ずっと覚えておきたいと思って」 「うん、そうだね。そうだ、ミツ、来年のお祭りも一緒に来よう」 「・・・はい。」 「ずっと皆で来れたらいいね」 本書103・104ページ 何故か分からないけど、読み進めている漫画です…

倉島圭『24のひとみ』3巻、秋田書店、2007年

ギャグ漫画というのは、どうしても一本調子になりがちで、この3巻も同様な雰囲気を醸し出してきたように思えます。ひたすらひとみ先生が嘘を付き続ける、というだけのこの作品は、嘘の前では全ての存在がフラットになりうるという点で非常に面白い作品です。…

岩原裕二『学園創世猫天』1、2巻、秋田書店

2冊同時発売だというのに、作者の名前だけで買いました。1巻だけ買ってみて様子見、なんてこともしませんでした。おとなっ。今までのどの作品も面白かったのですが、当然のようにこの作品も高いクオリティを維持しています。進学した高校は、猫と契約するこ…

佐原ミズ『マイガール』1巻、『バス走る。』新潮社、2007年。

いつの間に、これほど涙もろくなったのだろうか、と『マイガール』を読むたびに思います。何度も読んでいるうちに、ページをめくる前から次にはどんなコマがきて、どのような話になるのかを想像できてしまい、それで泣き出したりもしました。やっぱり最近は…

小原愼司『パノラマデリュージョン』1巻、講談社

久しぶりに小原作品がアフタヌーンで読める。ということで心が騒ぐのは、やはり『菫画報』という絶対的な作品が自分自身の中にあるからでしょう。『菫画報』は、部活動という(地理的にも概念的にも)制限された空間の中で、繰り広げられる様相がただただ楽…

加藤元浩 『Q.E.D.』 26巻 講談社

以下、ネタバレが少々あります。名探偵とは斯くなるほど(客観的には)盤石でなければならないのだろうか。と頭を抱えてしまうほど、この巻の燈馬くんは印象深い存在でした。それは当然のように最初に収められている「夏のタイムカプセル」によるものが大き…

熊倉隆敏 『もっけ』 6巻 講談社

妖怪や霊が見える姉と霊などに憑かれやすい妹という姉妹の存在。そして、彼女らに博学の知識で意見をし、時には自らが助けに入るという祖父という存在。この3者の関係は非常にマッチしていて、物語としては完成度の高いものでした。そこには語り部としての祖…

望月淳『Pandora Hearts』1巻、スクウェア・エニックス

時計、黒ウサギ、アリス。単語だけを並べても分かるとおり、本作品は『不思議の国のアリス』をモチーフとしたファンタジー作品である。そんなわけない。確かに作品構成のほんの僅かなパズルのピースになっているのかもしれませんが、少なくともこの1巻におい…

星野桂『D.Gray-man』9巻、集英社

今週はほとんど更新していなかったので、たまには感想を書いてみよう。暫くの休載を経ての9巻になります。もちろん言わずもがな、この巻の最大の特徴は主人公アレンの復活になるでしょう。意外にチョメ助がカワイイこととかありますが、まあ、それはそれで。…

下村トモヒロ 『女王騎士物語』 8巻 スクウェア・エニックス

典型的な少年漫画です。王道とはこのことを言う。女王騎士になるために、貴族たちに混じって、実力だけで試験を突破していく主人公というのは、見慣れた構図で、何よりこの「試験」という振り分け自体が少年漫画ではある程度の普遍性を持ったものだと思いま…

田辺イエロウ 『結界師』 13巻 小学館

「やっぱり変な子。壊す為にあげたのに守る為に使って・・・」 本書50頁 基本的に結界師が好きな理由は戦闘が全て受け身だからでしょうか。何を振りかざすわけでもなく、透明なバリアみたいなもので自分自身を覆って守り、逆に敵は閉じ込める。彼らの行動自…

羽海野チカ 『ハチミツとクローバー』 10巻 集英社

ネットを見渡していると手放しで絶賛が多いです。というよりも、そればかり。個人的にはラストへ向けて、テンションが一気に下がっていった作品でした。何だろう。良くも悪くも、この作品は主人公の竹本くんに依存する部分が思っていた以上にあったのではな…

入江亜季 『コダマの谷 王立大学騒乱劇』 エンターブレイン

「宇宙に憧れるように、外国に憧れる時代がたぶん昔あったと思います。旅行して実際にその土地を踏んでみたあとでも、まだまだ憧れています。漫画は憧れを描くもの、と決めたのもこの頃だったと思います」 本書「あとがき」より この文章にある通り、この作…

入江亜季 『群青学舎』 1巻 エンターブレイン

久しぶりにジャケ買いをしました。連作短編集という形式を取っていますが、決して一つの舞台に留まらない、そのスケールの大きさが非常に印象的です。一読するとそこには何の統一性もない作品が並べられている様にしか見えないがために、単なる短編集として…