古味直志『ダブルアーツ』について書いてみる。その3。

終わると見せかけて続けるけど、これで終わり。一昨日昨日のエントリーの続きです。



5:フレアについて
 で、今まで触れてこなかったフレアですが、別に意図的に書かなかったのではなく、話の流れで出てこなかっただけです。というわけで無理やり繋げてみます。当然ながら「ダブルアーツ」は週間少年ジャンプという媒体に連載されていたため、バトル的要素が込められるのは然るべきことであったといえましょう。キリは単にトロイに感染しない&触れた相手の発作を抑えるという能力だけでなく、他人と手をつないだ場合、繋がっている人の数だけ倍々ゲーム的に力が倍増されていくという能力フレアも持っていました。

 この能力は個人的には結構好きで、「繋がり」という中で生まれてくる貴重な能力だなと思います。ただし、バトルには非常に不向きなのも事実。そんな皆で手なんて繋げませんよ。ファランが無尽蔵に出てくるこの能力に疑問を向けていましたし、ガゼルのゼズゥが何か知っているようでしたが、結局、何だったのかは分からず仕舞で打ち切られました。

6:「ダブルアーツ」ということ
 ガゼルに狙われている以上、キリとエルーは手をつないだまま戦わなければならず、しかも、戦闘要員としてのスィやファランだけでは、実のところ戦闘能力としてのインフレが凄すぎました。特にファラン。結局、彼は無敵状態で話が終わってしまったわけですが、ガゼルと戦ったらどうだったのでしょうか。そんな中、主人公らの戦い方がダンスを基調とした「双戦舞(ダブルアーツ)」と名付けられ特訓が始まったわけですが、悲しいぐらいに取って付けた感が拭えませんでした。

いやだって、踊りながら戦うんですよ。何それ!というのもありますが、キリの能力が他者との繋がり、そしてそれによる温もりを重視されていたのと違い、戦闘という事象はどうしても「繋がり」や「温もり」と切り離されてしまっている感じがあったのです。

結局、一度しか披露されなかった「ダブルアーツ」でしたが、そこの違和感は払拭されることなく、最終話・打ち切りと相成りました。もちろん連載タイトルが「ダブルアーツ」で、キリとエルーの戦闘方法が「ダブルアーツ」ということはある程度前から考えていたことなのでしょうが、まあ、個人的に苦言があるとすればこの点でしょうか。あとワンピースのオカマ拳法のほうが強ソウデシタ・・・ゴメンナサイ。



という感じで3連休のどさくさに紛れてダブルアーツについて書きましたが、要はエルーはかわいいということを長く書くとこうなります。