石黒正数『それでも町は廻っている』3巻、少年画報社

それでも町は廻っている 3 (3) (ヤングキングコミックス)

通称「それ町」の3巻。2巻では、町内会という日常から上手い具合に浮遊して、死の存在、宇宙人といった非日常的なものと、見事に融合した巻でした。そのフットワークの軽さに、良い意味でしびれたものです。それを踏まえての3巻は、また日常世界への立ち返りが行われました。

とはいうものの、キャラクターたちが座ってきたせいか、どの話も飛び抜けてはいないものの、面白さを維持しています。作品として安定してきたことの証左としては、過去が語られたりしている点があるでしょう。あと、特に紺先輩。金髪で、制服を着崩し、ベースをやっている彼女は、主人公と仲良くしているためか分かりにくいですが、学内の位置付けとしては不良・・・まではいかないにしろ、浮いている存在なのでしょうか。いつも歩鳥(主人公)と屋上でご飯食べているし、学園祭のバンドメンバーは結局、主人公らしか集められずに素人集団でやらざるを得なくなっているし。タッツンより目立ち始めたのは、個人的には嬉しいのですが、お話としてはどうなっていくのでしょうか。突っ込みキャラは2人もいらない。