岩原裕二『学園創世猫天』1、2巻、秋田書店

学園創世猫天! 1 (1)

学園創世猫天! 2 (2)

2冊同時発売だというのに、作者の名前だけで買いました。1巻だけ買ってみて様子見、なんてこともしませんでした。おとなっ。

今までのどの作品も面白かったのですが、当然のようにこの作品も高いクオリティを維持しています。進学した高校は、猫と契約することで戦う生徒会がいて・・・と書くと非常にアホらしい設定ですね。問答無用で異能力を手にし、戦闘状態へと入っていく、というその様相自体はフィクションでは間々見られるものであることに違いありません。

結局のところ魅せ方の問題なのでしょうか。前作『いばらの王』においても、追い詰められる恐怖と前向きに進む姿勢との混在の中で、主人公たちとともに読者も何が何やらわからない状況から話がスタートし、小出しに明らかにされていく設定、状況が見事に挿入されていきました。その点は本作も同様で、彼らが戦っている理由が完全に判然としているわけではないのですが、ただ戦闘状態に陥っているということだけが、問答無用に読者に襲い掛かってくるわけです。

ということはともかく、猫と喋っているのをみるだけで、ある程度満足しています。