星野桂『D.Gray-man』9巻、集英社

D.Gray-man Vol.9 (9)

今週はほとんど更新していなかったので、たまには感想を書いてみよう。

暫くの休載を経ての9巻になります。もちろん言わずもがな、この巻の最大の特徴は主人公アレンの復活になるでしょう。意外にチョメ助がカワイイこととかありますが、まあ、それはそれで。アレンの復活とともに、物語も完全なる少年漫画の道を歩み始めたような気がします。

イメージの問題ではありますが、従来のアレンは非常に不安定な存在でした。成長しきっていないと片付けてしまえばそれまでですが、あの酷使してぼろぼろに崩れ落ちそうな左腕がどれだけ印象的であったか!そう、まさしく彼自身の不安定さを体現しているものでした。

彼はまだたった15歳の子供で、心が不安定で当然なのだ。
本書168ページ

しかし、戦いの中で安定を見付けてしまったことにより、物語はいざ戦闘という非日常的なところに突入していくものかもしれません。今までの不安定さが読者にとってみれば非常に現実的な様相として思えてしまうものであったのが、戦っていくことに疑問を持たなくなると至極扁平な起伏のないストーリーへと様変わりしていく恐れがあります。というのは次巻以降を読まないと何とも言えませんが。