池端亮『BLOOD+ 01 ファーストキス』角川スニーカー文庫

BLOOD+ 01 ファーストキス

 アニメをいつしか見なくなっていたので、こちらで補完しようとしています。メディアミックス万歳です。だいたい土曜日に家にいることが、そうそうないもので・・・。それはともかく補完のために読んだというのに、本書で書かれている部分は既にテレビで見ていた最初のほうだけでした。記憶を失った小夜が、翼手と闘う唯一の存在として覚醒していく過程。そのほんの序盤です。その中で「戦闘」からは切り離されていた「日常」から、「戦闘」へと回帰していく。小夜本人は「回帰」と認識できないために、その苦痛が倍増されます。従来の小夜の「日常」と現在の彼女の「日常」。その対比と残酷さ、というところでしょうか。そしてそれに伴い舞台は沖縄からベトナムへ。そのつど介入してくる米軍とわけのわからない秘密結社。アニメとしては通して見れば、複数の思惑が入り込む面白い作品かもしれませんが・・・。とりあえず次巻も読みましょう。

 不満としては、イラストが戦闘シーンだというのに躍動感がないという点が指摘できます。大根切ってるみたい。