仁木英之『薄妃の恋―僕僕先生』新潮社、2008年

薄妃の恋―僕僕先生

僕僕先生シリーズ第2弾。

やっと読みました。今回も面白い。

作品内では前作から5年という時間を経て、仙人の僕僕(見た目は美少女仙人)とニートから薬師へとレベルアップした主人公の王弁との旅が始まりました。とりあえず中国の地理は全然分かっていないのですが、南下していることは分かります。

それはそれとして、彼らが様々な出会いをし、様々な出来事に直面していくという一連の流れが、断絶なく繰り返されるというのも、やはり旅という特殊な時間の中であるが故のものなのでしょう。今回は前作から薄妃という3人目の旅仲間が増えています。と、そういえば馬がいましたね。見た目は駄馬の天馬が。そういうわけで、特に目的もないこの旅も人数が増えて、非常にバランス良くなってきました。

目的ない旅というだけで、これほどまでに緩やかに時間が流れているように読者が捉えることが出来るというのは見事です。普通のファンタジー小説だとこうはいきません。