谷川流『涼宮ハルヒの分裂』角川スニーカー文庫、2007年

涼宮ハルヒの分裂

というわけで、皆、無事に進級している・・・。いつも気になるのは朝比奈さんが一人だけ学年が違うということです。鳥坂センパイみたいになるのでしょうか。なりません。

さて、個人的にはこの涼宮ハルヒのシリーズは阪神大震災が起こらなかった!というメタ化された三宮を舞台としている作品群と考えています。従って、ある意味でハルヒという存在を起点・基点としながら、様々なSF的エピソードが繰り広げられてきたことも、全てひっくるめて作者という存在へのメタ的な回帰が読者としては可能なのかもしれないという脱構築的なノリでいました。ハルヒが作者の分身という至極尤も(で在り来たり)なことかもしれないし、それすら含めているのかもしれない。どちらでも良いのですが、その点で作者自身によって、複数の選択性の中で話を進めていくというメタ構造を惜しげもなく出してきたのは当然のことかもしれません。さらには、佐々木さんを筆頭としたSOS団のコピー集団のようなものの存在もまた、複数性を持つこのシリーズならではのものでしょう。

話は様々な点で途中で終わっているため、2ヵ月後まで待たないとなりません・・・。一気に読みたい作品になるといいですが。