音速ライン 『風景描写』

風景描写

今日、歩きながら聞いていました。日本語ロック的な哀愁を帯びた作品ではありますが、非常に聞きやすい。ですます調ではないにしても、タイトル通りの風景の切り取り方が徹底されているために耳障りの良さにつながるのでしょうか。「逢いたい」などの情けない男性像を背景として「風景」を描き出すことの徹底さは聞き手に一つの共感を要求していきます。その波に乗っていくと本当に心地良い。しかし、それでも心のどこかに引っかかってくるのは、メロディラインが表象としての日本語ロックを薄めた感じになっているためでしょうか。異様さが強調されるわけでもなく、しかし、ロックやフォークなどのようなジャンル王道を突き進むわけでもないという独特の・・・しかし、はっぴいえんどサニーデイ・サービスのメロディやスピッツの描写などに見られるジャパニーズ・ポップの一つの流れなのかもしれません。