冲方丁『ストーム・ブリング・ワールド』1、2巻、MF文庫ダ・ヴィンチ、2009年

ストーム・ブリング・ワールド1(MF文庫ダ・ヴィンチ)

ストーム・ブリング・ワールド2 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

その昔、MF文庫で出ていたものを読みました。読んだというのに、全く覚えておらず書店で「お、新作だ」と買ってしまい、途中まで「どこかで読んだけど、気のせいかな」とか思っていました。リテイク作品です。

とはいえ2巻までは読んでいなかったので、これはこれで良かった。カードゲーム(でありデジタルゲーム)のカルドセプトの小説版になります。カルドセプトはやったことないのですが、マンガ版が大好きで何回か読み返したりしていました。特に小説版は意思を持った猫のクリーチャーが主人公の側にいて非常に宜しい。

しかし、自分の陣地(領地)などを具体化するとどこからどこまでが領地なのか、有効範囲などがあるのかといった点をふと疑問として思いついたりしますが、それは野暮というものでしょう。ある意味でカードを使って魔法を唱える。自分のカードのデッキを組んで戦う。魔法や領地の属性に依存する。といったファンタジーゲームならではの常識がまかり通っている世界です。ゲーム的リアリティがファンタジー小説をここまで塗り替えたという一つの感慨も沸き起こる。

Culdcept 1 (1) マガジンZコミックス