谷原秋桜子『手焼き煎餅の密室』創元推理文庫

手焼き煎餅の密室 (創元推理文庫)

9月12日読了。公式には「美波の事件簿」シリーズとなりました。今までは「激アルバイター」とかだったような気が・・・。これまでの3冊の前日譚となるがゆえに主人公はアルバイトをしていません。

今回、非常に収まりがよいのは、本編では既に亡くなっている修矢の祖父が探偵役をつとめているからでしょうか。高校生の美波が事件を引っ張り込み、大学生の修矢が探偵役として事件を解決するというのが大まかな構図でしょうが、ここでは修矢はまだまだひよっ子で祖父が全てを解決しています。やはり年の功というのか、本編では常に大人気なく美波と喧嘩をし続ける修矢に比べると全てを丸く収める力に長けているといいますか・・・これは単に本編での修矢がダメなのではないかとも思ってしまうレベル。