時雨沢恵一『学園キノ』電撃文庫

学園キノ (電撃文庫 (1283))

ついに読んでしまったぜ。

公式パロディといいますか、何と言うか。『キノの旅』がずっと続いて、宇宙編から学園編へと突入するという本当にどうでもいい作者の後書きの妄想からスタートした企画だそう。というわけで、キノは木乃というキャラクターで、その他の人々も大幅にキャラ設定を変えられながらも登場します。淡々と物語が進むキノの旅とは違い、大騒ぎを繰り返しながら進むため、作者が勝手にテンション高く話を進めるというある意味でライトノベルとはこういうものだよな、と再確認させられるものでした。そういう点では寓話的であるキノの旅という存在はライトノベルの中では異質であり、児童文学などとの融和性を示しているのかもしれません。

それにしても興味深いのは作者自身がシュミラークルを楽しんでいるということ。こういうことが平気で出来るというのが、一つの特徴でしょうか。