時雨沢恵一『メグとセロン』既刊3巻、電撃文庫

メグとセロン〈1〉三三〇五年の夏休み(上) (電撃文庫)

メグとセロン〈2〉三三〇五年の夏休み〈下〉 (電撃文庫)

メグとセロン〈3〉ウレリックスの憂鬱 (電撃文庫)

読んだ本を記録しておかないと忘れてしまう。

『アリソン』、『リリアとトレイズ』に続く作品・・・というかリリトレのスピンオフです。正直、1巻の表紙を見たときは、かっこいいセロンにメグがアタックしていく話かと思いきや、全然逆ではないか。そうか、そういうものか。というわけで、学校という空間の中で、さらには部活(最初は違うけど)という小規模空間の中での繰り広げられる物語はピンポイントで好みです。特にこれまでの一連の作品で描かれたような国家間といった中での抗争という問題が背景に厳然として存在し続けているという状況ではなく、彼らのそして読んでいる読者らの知識としては存在しているものの、既に物語の主たる軸ではなくなっています。もはや戦後ではない。

しかし、どのキャラもきちんと立ち位置の割り振りが出来ているのに、そこに創作としての嫌味さがないというのは、この作家の凄さなのでしょう。言語の違いなども感じられて、力量を感じました。