西澤保彦『謎亭論処―匠千暁の事件簿』祥伝社文庫、2008年

謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)
西澤 保彦

祥伝社 2008-03-12
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文庫化されていたとは全然知らなかったので、本屋で見かけたらそのまま購入しました。タック&タカチシリーズの短編集。

時系列的には、本当にばらばらで、タックやボアン先輩たちが既に大学を卒業していたり、まだ在学中だったり、ウサコが結婚していたりと、あちこちに飛んでいますが、統一されているのは全ての話が安楽椅子探偵物であるということでしょうか。議論に議論を重ね、可能性なきものをつぶしていった結果、残ったものが限りなく真相に近いものになるという。作者らしく、主人公らの片手には必ず酒があり、食べ物がありという中ですが、フランス料理店の中でも推理トークを重ねています。相変わらず、それが真相なのかそうでないのか、というのは実は二の次でして、彼らのトークを楽しむのが良いのでしょう。

そろそろ長編が読みたいですね。チョーモンインシリーズも同様ですけど。