二階堂黎人『魔術王事件』講談社、2004年(文庫版2007年)

魔術王事件 上 (講談社文庫 に 22-20)

魔術王事件 下 (講談社文庫 に 22-21)

相変わらず長い。

久しぶりに読んだ二階堂黎人の作品になります。実は『人狼城の恐怖』を読んで以来、このシリーズは放置していたので、『悪魔のラビリンス』を経てのこの作品という時系列を完全に無視して読んでしまいました。うーん。一応、二階堂蘭子はヨーロッパで姿をくらましたとかいう話だったかと思いますが、何ともなかったかのように活躍しておりますね。

相変わらずの江戸川乱歩ばりのホラー、スリラー作品になっています。次から次へと波状攻撃のように繰り返されるスリルとサスペンスは作者らしいと思いながら読んでいましたが、さすがに警察のアホさ加減はいかがなものかとも・・・もちろん二階堂蘭子を引き立てるためだということは重々承知してはいますが。蘭子登場までは、同じような惨劇の繰り返しでしたが、名探偵登場以降は一気に話が収束していくため、ページをめくるスピードも上がりました。

何はともあれ1年の最後に長編小説が読めて大満足。