有栖川有栖『乱鴉の島』新潮社、2006年

乱鴉の島

久しぶりの作家アリスシリーズ。僕自身、このシリーズを読むのが久しぶりならリリース自体も久しぶりのようで、4年ぶりのシリーズ新作だったとか。間違えて渡航してしまった携帯電話が圏外の孤島で殺人事件が起こり、電話線が切られ・・・というクローズド・サークルの典型を見事に描いております。

が、少し消化不良。特に惹かれた点もなく、オーソドックスな展開をし続けました。いや、もちろん、それをこなすことがどれだけ大変かというのは分かりますが、簡単にいえば平凡な作品であったということ。本格ミステリとはこういうことです。

それはそれとして、次は学生アリスシリーズの新作を読もうと思っています。僕にとって名探偵は火村英生というよりは、江神二郎なわけです。