ほしおさなえ『ヘビイチゴ・サナトリウム』創元推理文庫

ヘビイチゴ・サナトリウム (創元推理文庫)

個人的には中途半端な感じが否めない作品でした。悪いというわけではなく、しかし、手放しで良いと賞賛するわけでもなく。うーむ。

中高一貫の女子中学・高校が舞台。美術部の部員が次々と自殺をし・・・挙句に国語教師まで死亡するという・・・要は学園もののミステリなわけです。ただし、女子生徒の内面や人間関係を描くことにかなり力を注いでいるため、正直、感情移入すら難しく、書かれていることを表面的に追っていくように読んでいました。いくつかの側面が後半には絡まり合って、一連の事件へと収斂していく様を描くことと、女子高特有の人間模様(なのでしょう)がもう少し上手く交じり合ってくれれば、と思います。

ただ、あとがきでも書いているように、この作品で描かれている2000年前後のウェブサイトの有り様が個人的にもhtml形式でホームページを開設していたことを思い出し、懐かしい気分になりました。ちなみに放置しているので読もうと思えば、2000年に僕が書いた文章も読めたりする。・・・読んでみたら、僕は2000年11月15日に雨上がり決死隊のライブに行っている。