秋田禎信『カナスピカ』講談社

カナスピカ

というわけで今年は読んだ本の備忘録をきちんと記録しておこう、と思いながら、もうとっくにそのような誓いは破っているのでした。今日から無理ない範囲でテキトウに書いていきます。

そして秋田禎信オーフェンの人です。でも、オーフェンもエンジェルハウリングも何もかも最後まで読んだことがなかったので貴重な経験でした。1冊で終わりますし。

宇宙人が作製した有機生命体的人工衛星みたいなものと主人公の中学生の女の子との触れ合いを描いた作品。さくさく読めるものですが、読み終わった後は画一化された感想しか出てこないのはどうしよう。別にそう大した問題ではないのですが。子供を理解し得ない大人という存在や、理解し得ても組織から外れている大人やら、多分、そうなのだろうと読者が想像しうるリアリティでもって描かれた教室内での人間関係や、丁度、思春期の主人公と両親との距離やら、といったパーツとして取り上げると本当に普通の小説でしかありません。読み終わっても、そういう点では特に何の感慨も抱けませんでした。

どちらかと言えば、オーフェンの人がこのような媒体で小説を発表したというほうが、一つの時代性を感じます。