清野静『時載りリンネ!』2巻、角川書店

時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

久しぶりの感想垂れ流しコーナー。これが休みというものです。一応、mixiのリンネ・コミュの管理人なので、これから書きます。

200万字の活字を読むことで1秒だけ時を止められる時載りという種族の少女と、その友人の普通の男の子の話。基本的にこの作品の良さは、魔法だとか超常的な現象を物語の中で描きながらも、決して単なるファンタジー作品として読者からかけ離れていくのではなく、そのギャップをカヴァーするに余りあるキャラクターの豊かさが存在するところでしょう。とてもじゃないが、最強の時砕きとは思えないヒロインのリンネやら、嫌々ながらも彼女の行動に結局付き合う久高や、その他諸々。結局の彼らの行動原理が「時載り」に依拠しているのではなく、人間的と読者が捉えることのできるものになっているのが、この作品の一番良いところだと思います。

だからこそ、リンネが頼山陽とかを読んでいると突っ込みたくなるのでしょう。小学生が読むものではない。さらに言うと、その年齢でサイードを読まれてしまっては・・・。いやいや、時載りとしては普通のようですが、うーん。

闘いで全てが決着つくのではなく、リンネとお婆さんとの友情を持ち出したり、少し卑怯でしたが凪を持ってきたりという点もお気に入り。しかし、逸脱者という存在によって、二項対立的な図式が見えたり、見えなかったり、で次巻なわけですか。