近藤信義 『ゆらゆらと揺れる海の彼方』 7巻 電撃文庫

ゆらゆらと揺れる海の彼方 7 (7)

長かった6巻に比べると、すっきりしました。

6巻があれほど読み進めるのに苦労したのは、端的に言えば主体が一つでは無くなってしまっているからではないでしょうか。スタート時に主人公側として描かれていたローデウェイク福音王国だけではなく、敵対しているアールガウ神聖帝国、そしてバストーニュまで描くようになってしまっては・・・。それぞれに思い入れがあるのは、別に構わないのですが、それらを全て描こうとすると重厚長大になるのは必然です。そして、その延長線上にあるのか、7巻になると外伝という扱いでアールガウ神聖帝国の建国前のストーリーに・・・。

6巻に比べると視点が固定化されたことによって格段に読みやすくはなりました。すっきりしないとダメですよ。それにしても、こんなにもエレオノーラが活発だとは思いませんでした。確かにそれを示唆する記述もありましたが、描かれたことはなかったので。

でも、7巻は途中で終わりました。8巻へ続く・・・外伝なのに続く・・・。