ゆうきまさみ 『鉄腕バーディー』 13巻 小学館

過去編終了。これを踏まえての第2部は面白くなるに違いありません。

バーディーの過去について、今まで個人的にではありますが、ほとんど気にならなかったというのは、一つにはつとむくんと同化している点が指摘できると思います。つまりは常につとむくんの視点を中心に物語が構成されているが故に、そこにある日常にバーディーが入り込んでしまったことが大きく影響しているのではないでしょうか。そのために、非常に無責任なかたちで「バーディー弱いなあ」とか「また負けたよ、バーディー」のような感想がふつふつと湧いてくるのでしょう。

彼女がなぜあのような仕事をしているのか、宇宙における彼女の立ち位置はどのようなものなのか、日常への突然の乱入者であるがゆえに、それらの視点を欠いてしまう。つとむくんと読者がある程度は共感できる部分があるがゆえに（バーディーはやはり基礎文化等々が大きく違う）、彼の視点に固定化されてしまった感は否めません。

というわけで、つとむくんに流されるように、バーディーの過去を見てきたわけですが、それもおしまい。次からは山積みしていた問題へのアプローチがはかられるのでしょう。期待大です。